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帰国して次の日、
いきなり個人撮影が入ってた。 タクちゃんには、撮影会は、“もぅ辞めた” と言ってるので、帰国早々、 『今日は友達とご飯いってくる♪』 とウソをつかなければいけない自分が悲しくて、 でも、全てを捨てても、愛に生きれる程 恋愛体質じゃない自分に薄々気付かされて どっちにしろ泣きたかった。 撮影は問題無く終わり、 帰りに6月生まれの私にと、 アジサイを植木鉢でカメラマンにもらった。 先日のバラと言い、花を貰ったコトなんて 今までの人生数える程しかなかったのに、 この半年足らずで、随分貰う様になった。 でも、どの花も、1ヶ月も持たなくて、 それがまた、この仕事の儚さを感じさせる様な気もした。 そして、とうとう6月20日。 最後の撮影会の朝がやってきた。 タクちゃんにウソをつくのもコレが最後…。 |
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小さい頃、ずっと母親が居なかった環境で
育った私には、専業主婦という響きは 甘く、憧れの単語の一つで。 たくちゃんと20代半ばで結婚して、 子供を生んで、専業主婦をしながら なんとなく子供から手が離れれば、 パートに出るっていう人生設計は それはそれでアリなんじゃないか? って前向きな捉え方の出来るコトで。 でも、悲しいが故、専業主婦の居ない家庭で 育った私には、専業主婦なるもののあり方というか、 ぶっちゃけ、自分の専業主婦像がリアルに想像出来ない のも本音で、それは、タクちゃんと一生一緒に 居るコトをリアルに想像出来ないコトにも 少し似ていた。 でも、頑張らなきゃいけない。 あんな傷つけ方をしてしまったのに 捨てないで傍に居るコトを選んだ彼を 大切にしなければならない。 呪文の様に心の中で唱えながら サイパンを後にした。 飛行機の中で私達は、旅行中の 不仲をせめても今とりもどすかの様に せいいっぱいイチャついていた。 頑張って付き合っていくコトを選んだ 私達の第一日目だったのだ。 |
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彼と一緒の朝、いつも先に起きるのは、
私だった。 でもその朝は、起きて、隣のベッドを見ると、 天井を見つめてる彼がいた。 『たくちゃん…』 いつもの甲高いトーンと違う私の声で、呼びかけてみると、 彼はこの旅行のメインイベントが始まるのを 察知した様だった。 無言でベッドの上で こっちに体を向けた。 呼びかけてはみたものの、何から話せば良いのか 解らず、何も言葉が出てこない私に、 彼は思いもよらない言葉を掛けた。 『許す… 許すよ…。』 『きっと、ずっと忘れられないし、実際に どれくらい時間が掛かるかは解らないけども… 』 『一緒にいようよ…。』 言葉が胸に刺さった。 彼が…たくちゃんが、どれだけ、 100歩なんかじゃ足りない…1000歩… もしくは一万歩譲って、この言葉を どんな思いで言ってくれてるんだろう…? 苦しくて苦しくて、 嬉しくて嬉しくて。 『うん…。』 これしか言えなかった。 |
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今思えば…
初めての誕生日、喧嘩しながらもディズニーランド。 2回目は、ディズニーシーに泊めてもらって。 今回はサイパンで…。 何も、何も不満なんてなかったじゃん!? シアワセだったじゃん? 何でヌードなんて始めたの? 絵に描いたような幸せを、幸せだと 受け止められない自分を、哀れにさえ感じました。 そして、小さい箱を開けてみると。 私の好きな、クリスチャンディオールのネックレスで。 『…ありがとう。』 涙がこぼれそうになるから、 この一言だけで精一杯だった。 そして、背中合わせのままその夜も過ぎて、 慌しく、帰国の日がやってきた。 帰る前に、話したいコトが… 決めておきたいコトがある。 怖いけど決めなければいけない。 二人のこれからのコトを。 |
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ワタシノセイ…。
何も言い返せない自分がくやしい。 だって、本当にこの事件が起きるまでは タクちゃんはソコソコにモテるにも関わらず、 浮気とか、他の女の子とか見事なくらい無縁な人で、 今こうやって出会い系なんか使っているのが、 逆に無理して遊び人を演じてる気がして痛々しかった。 二人の心情みたいな曇り空の海は 夕方まで雨が降る訳でもなく、晴れる訳でもなく ホテルに帰る時間になってしまった。 夕食はまたしても適当にホテルの前の ハードロックカフェで。 さっきあんなコトを知った私は、 本当はもっともっと聞きたいコトだってあって、 ケンカが出来るのならしたかったけれど 今の自分の立場から、とってもじゃないけども、 彼を責めるコトなんか出来なくて 適当な笑顔を無理につくってその場をしのいでいた。 『やっぱりもぅ、彼の中にワタシの存在は無いんだ…。』 『別れるしかないんだ…。』 そんな思いが笑顔の下で駆け巡ってた時 ふいに 『ハイ。』 そういって小さな箱を渡された。 『19歳のプレゼント』 『……、どうして…??』 |
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| 普通の女の子の撮影会モデル記〜瑛李花編〜 |
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